社会保険料の基礎
給与から差し引かれる健康保険、厚生年金、雇用保険、介護保険の違いと、標準報酬月額・労使折半・年度ごとの料率改定の見方を解説します。
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はじめに
社会保険料は、給与明細で手取りを大きく左右する控除項目です。健康保険・厚生年金・雇用保険・介護保険は、それぞれ対象者、計算単位、料率改定のタイミングが違います。本ガイドでは、会社員の給与からどのように引かれるのか、計算機に入力する前に押さえるべき前提を整理します。
給与から引かれる社会保険の全体像
健康保険と厚生年金は、標準報酬月額と標準賞与額を使って計算します。雇用保険は原則として賃金総額に料率を掛けます。介護保険は40歳以上65歳未満の人に健康保険料へ上乗せされる形でかかります。
保険ごとの計算単位
会社員の主な社会保険料
| 項目 | 主な対象 | 計算の見方 |
|---|---|---|
| 健康保険 | 会社の健康保険に加入する人 | 都道府県・保険者ごとの料率を標準報酬月額などに掛け、原則労使折半します。 |
| 厚生年金 | 厚生年金保険の被保険者 | 保険料率は18.3%で、本人負担は原則9.15%です。標準報酬月額には上限があります。 |
| 雇用保険 | 雇用保険の被保険者 | 令和8年度の一般事業の労働者負担は5/1,000です。業種で異なる場合があります。 |
| 介護保険 | 40歳以上65歳未満の健康保険加入者 | 協会けんぽでは全国一律の介護保険料率が健康保険料率に加わります。 |
健康保険料率は協会けんぽ、健康保険組合、共済などで違います。都道府県別の協会けんぽ料率を使う計算機では、勤務先の保険者が協会けんぽである前提かを確認してください。
標準報酬月額と賞与の考え方
- 毎月の保険料は、実際の給与そのものではなく、報酬を等級に当てはめた標準報酬月額を使います。
- 標準報酬月額は原則として定時決定で見直され、9月から翌年8月まで適用されます。
- 賞与は標準賞与額を使って別に保険料を計算します。
- 厚生年金や健康保険には標準報酬月額・標準賞与額の上限があるため、高額給与・高額賞与では頭打ちが起こります。
手取り計算での扱い
手取りに与える影響
| 項目 | 給与明細上の影響 | 税計算上の影響 |
|---|---|---|
| 社会保険料 | 給与から差し引かれて手取りを減らします。 | 社会保険料控除として課税所得を下げます。 |
| 所得税 | 源泉徴収で給与から差し引かれます。 | 給与所得・所得控除をもとに計算します。 |
| 住民税 | 前年所得をもとに翌年6月から引かれることが多いです。 | 社会保険料控除が所得割計算に影響します。 |
よくある質問
Q.社会保険料は会社と本人で半分ずつですか?
A.健康保険・厚生年金は原則として労使折半です。雇用保険は労働者負担と事業主負担が異なり、事業主だけが負担する雇用保険二事業分もあります。
Q.40歳になると手取りが減るのはなぜですか?
A.40歳以上65歳未満は介護保険第2号被保険者となり、健康保険料に介護保険料が上乗せされるため、同じ給与でも本人負担が増えます。
Q.協会けんぽと健康保険組合では保険料が違いますか?
A.違う場合があります。協会けんぽは都道府県単位の料率、健康保険組合は組合ごとの料率を使います。勤務先の保険者を確認してください。
Q.社会保険料は所得税の計算に関係しますか?
A.関係します。本人が負担した社会保険料は社会保険料控除として扱われ、所得税や住民税の課税所得を下げます。
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公式出典・参考情報
本ガイドは一般的な制度・知識の解説であり、個別事案への助言ではありません。最終的な判断は税理士・弁護士・FP・医師等の専門家、または公的機関にご相談ください。