計算辞典

所得税の基礎

所得税が収入から直接決まるのではなく、所得、所得控除、課税所得、累進税率、復興特別所得税の順で計算される流れを解説します。

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はじめに

所得税は「年収 × 税率」で決まるわけではありません。給与収入から給与所得控除を差し引いて給与所得を出し、そこから基礎控除や社会保険料控除などを差し引いた課税所得に、5%から45%の累進税率を当てます。令和7年度税制改正で控除額の見直しもあるため、年度の前提を確認して計算する必要があります。

所得税計算の5ステップ

収入 所得 所得控除 課税所得 税額 × 給与所得者は、給与収入から給与所得控除を差し引いて所得を求めます。
収入から課税所得を出し、税率を掛けて所得税額を求めます。
  1. 収入を所得に直します。給与なら給与所得控除、事業なら必要経費を差し引きます。
  2. 所得から基礎控除、社会保険料控除、扶養控除などの所得控除を差し引きます。
  3. 残った課税所得を1,000円未満切り捨てにします。
  4. 所得税の速算表に当てはめ、税率を掛けて控除額を差し引きます。
  5. 復興特別所得税など、該当する上乗せを確認します。

令和7年度税制改正の主な見直し

令和7年分以後の所得税で確認したい控除見直し

項目見直しの内容注意点
給与所得控除最低保障額が55万円から65万円へ引き上げ給与所得者の課税所得に影響します。
基礎控除合計所得金額に応じて見直し。一定層では58万円など所得帯により加算措置が異なります。
扶養親族等の所得要件基礎控除見直しに伴い、所得要件が58万円以下などへ変更扶養・配偶者判定の年収目安にも影響します。

国税庁は、これらの改正は原則として令和7年12月1日に施行され、令和7年分以後の所得税に適用されると案内しています。年末調整や源泉徴収税額表の扱いは年度によって異なるため、計算対象年をそろえてください。

所得税の速算表

国税庁 No.2260 の所得税速算表

課税所得税率控除額
1,000円から1,949,000円まで5%0円
1,950,000円から3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円から6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円から8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円から17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円から39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円以上45%4,796,000円

計算で混同しやすい言葉

収入・所得・課税所得の違い

用語意味給与所得者の例
収入受け取った金額給与・賞与の額面合計
所得収入から必要経費相当を引いた金額給与収入から給与所得控除を引いた額
所得控除個人事情を反映して所得から差し引く額基礎控除、社会保険料控除、扶養控除など
課税所得税率を掛ける対象所得から所得控除を引いた額

よくある質問

Q.所得税は年収に直接税率を掛けるのですか?

A.いいえ。給与収入から給与所得控除を差し引き、さらに基礎控除や社会保険料控除などを差し引いた課税所得に税率を掛けます。

Q.基礎控除は令和7年から58万円ですか?

A.令和7年度税制改正で見直されていますが、合計所得金額に応じた加算や高所得者の扱いがあります。対象年と所得帯を国税庁情報で確認してください。

Q.復興特別所得税とは何ですか?

A.平成25年から令和19年まで、原則として基準所得税額の2.1%を所得税とあわせて申告・納付するものです。

Q.給与所得控除と基礎控除は同じですか?

A.別の控除です。給与所得控除は給与収入から給与所得を求めるための控除、基礎控除は所得から課税所得を求める段階で使う所得控除です。

  • 所得税の概算

    年間給与収入、社会保険料控除、配偶者・扶養親族、各種控除から、所得税と復興特別所得税の概算額を計算します。

  • 手取り目安

    額面年収、賞与、年齢、地域、扶養状況から、社会保険料・所得税・住民税を差し引いた手取り年収の目安を計算します。

公式出典・参考情報

本ガイドは一般的な制度・知識の解説であり、個別事案への助言ではありません。最終的な判断は税理士・弁護士・FP・医師等の専門家、または公的機関にご相談ください。